身体診察は内科診療の基本です。
勉強するのに何か一冊持っておきたい、でも沢山の教科書があって選べない。
そんな悩みにお応えします。
今回は特に有名な教科書について、それぞれの特徴を紹介します。
身体診察の教科書おすすめ4選
ベイツ診察法
定番中の定番、世界のベイツです。
身体の部位や臓器ごとに身体診察のとり方が解説されています。
イラストや写真が豊富で、実際にどこを聴診したらよいか、どのように触診したらよいか、わかりやすく示されています。
スタンダードな診察方法を勉強したい、という方はこの教科書から始めれば間違いないです。
異常所見と対応する疾患も記載はありますが、少し弱いところだと思います。
○○徴候は感度何パーセント、みたいなことが知りたい場合は次に紹介するマクギーがおすすめです。
マクギーのフィジカル診断学
身体診察に関するエビデンスを追求した一冊です。
上で紹介したベイツと違い、写真やイラストはほとんど載っていません。
身体診察のとり方も文章による説明のみで、初学者にはあまりオススメしにくいです。
ただ、ある所見の感度・特異度など、エビデンスに関して右に出る教科書はないと思います。
一通り身体診察をとれるようになった後で、臨床との結びつきを勉強するのにおすすめです。
サパイラ 身体診察のアートとサイエンス
多くの先生、特にこれから身体診察を勉強していく先生にはおすすめしません。
なかなか実臨床に生かしづらい内容も多く、なにより非常に読みにくい。
訳者の先生方の努力があるものの、まず原文がものすごく読みにくいです。
ですが、この教科書にはその短所を覆すだけの価値があります。
身体診察の歴史やメカニズム、意義について詳細に記載されており、学問としての身体診察を学ぶ上でこれ以上の教科書はありません。
この所見でこんなことまでわかるのか、と驚きの連続です。
身体診察を極めたい、という先生は避けて通れない教科書だと思います。
身体所見のメカニズム A to Zハンドブック
身体診察のとり方からメカニズム、エビデンスまで、上の3冊のいいとこどりをしたような教科書です。
比較的新しい本で、一つの所見ごとに1~2ページで解説されており見やすいことも特徴です。
これ一冊あればほとんどの所見について網羅できます。
本の構成がアルファベット順になっており、初めて勉強するのに通読がしにくいことが難点かと思います。
まとめ
今回は身体診察のメジャーな教科書について紹介しました。
もちろん身体診察を学ぶには患者さん相手に自分で体を動かすことが一番です。
それをサポートするため、また更に技術を磨くために活用していきましょう。