- 診断学の勉強
- Dr.ウィリス ベッドサイド診断
- 卒後20年目総合内科医の診断術 ver.3
- フレームワークで考える内科診断
- ホスピタリストのための内科診療フローチャート
- 感染症クリスタルエビデンス 診断編
- 身体診察・検査の勉強
- medicina 2022年 増刊号 特集 フィジカル大全
- 身体所見のメカニズム A to Zハンドブック
- レジデントのための神経診療
- 異常値の出るメカニズム
- 研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡
内科研修では、各科の専門的な疾患や対応についてももちろんですが、一般内科医としては、問診→診察→検査→診断→治療といった診療のプロセスを身に付けてもらいたいと思っています。
そこで、今回は内科研修を受けるレジデント向けの教科書を紹介します。
どれも自分が研修医の時に読んだ教科書やその改訂版、指導医として研修医に勧めている教科書ばかりです。
成書ほどではないものの内容は充実しており、1回読んで終わりではなく長く使い続けることのできる本たちです。
診断学の勉強
Dr.ウィリス ベッドサイド診断
少し古い教科書ですが、身体診察と臨床を結びつけるのに適した一冊です。
症状と所見について、どういう病態生理でそうなるのか述べられており、症候から鑑別を考えるのに非常に役立ちます。
図が少ないため慣れないうちは所見などのイメージがしにくいかもしれませんが、内科の奥深さを感じることのできる教科書です。
わたしも研修医の頃から愛読しており、今でも診断に困ったときに頼ることの多い教科書の1つです。
卒後20年目総合内科医の診断術 ver.3
外来や病棟で出会いやすい症候を中心に診断学が勉強できる教科書です。
問診や診察、検査のや注意すべき鑑別疾患など、教科書的な知識やエビデンスと著者の経験がバランスよくまとまっています。
臨床医の視点から大事なポイントを知ることができるため、通読をオススメします。
前回の改訂(10年目→15年目)から5年であり、20年目の改訂版が出るみたいです。
フレームワークで考える内科診断
研修医が鑑別疾患を考えるときは、頻度や緊急性の高いものを優先的に挙げたり、頭文字で挙げたりすることが多いと思います。
内科診療ではある程度時間の猶予もあるため、頻度や緊急性の高い疾患だけでなく、可能性のある疾患を網羅的に考える必要があります。
この教科書では、ある症候を病態ごとに分類しその項目をさらに分類する、といったフローチャートで鑑別する考え方が解説されています。
病態のレベルで網羅できていれば、その先の鑑別も漏れなく挙げることができます。
考え方を学ぶことで、この本に載っていない症候や状況でも同じ要領で鑑別を進めることができるようになります。
ホスピタリストのための内科診療フローチャート
Commonな疾患やプロブレムを中心に、診断、治療のエビデンスがまとめてあります。
診療のプロセスがフローチャート形式で掲載されており、次にすべきことがすぐにわかります。
臨床だけでなく、レポート作成時の参考文献探しにも役立つ1冊です。
近々第3版にアップデートされます。
感染症クリスタルエビデンス 診断編
疾患ごとではなく症候や検査からのアプローチになっており、それぞれ病態や原理、感染症以外の鑑別疾患も載っています。
これ一冊で内科診断学のかなりの範囲をカバーできており、感染症について勉強になるのはもちろんですが、内科診断学の教科書としても素晴らしいです。
感染症は内科診療の大部分を占めており、持っておいて損はない一冊です。
身体診察・検査の勉強
medicina 2022年 増刊号 特集 フィジカル大全
これは雑誌の増刊号ではありますが、バイタルから各臓器、疾患毎の身体診察が網羅されており、しかもそれぞれ錚々たるメンバーが執筆されています。
さらに、2025年4月までの期間限定ではありますが、診察法や所見に関する動画や音声をWebで視聴することができるため、今年度に限ってはこれがオススメです。
身体診察の勉強は教科書だけでは難しく、ベッドサイドで教わるのが一番ですが、稀な所見などは中々イメージしにくいと思います。
最近は動画が試聴できる教科書も増えてきており、上手に活用したいところです。
身体所見のメカニズム A to Zハンドブック
身体所見のとり方からメカニズム、エビデンスまで、よくまとまっています。
有名なBates、Sapira、McGeeのいいとこどりをしたような教科書です。
一つの所見ごとに1~2ページで解説されており見やすいことも特徴で、これ一冊あればほとんどの所見について網羅できます。
本の構成がアルファベット順になっており、初めて勉強するのに通読がしにくいことが難点かと思います。
レジデントのための神経診療
神経症状、所見について、解剖、症候の側面からわかりやすく解説してあります。
イラストや画像も豊富で、少しとっつきにくいイメージの神経診察を病態から理解するのに役立ちます。
神経診察は他の身体診察と比べてもボリュームが大きく病態理解も重要になるので、別に一冊持っておくことをオススメします。
異常値の出るメカニズム
検体検査の解釈について勉強するのに良い教科書です。
異常値の背景にある病態を理解することで、診断に一歩近づくことができます。
3月末に改訂され、前回ページ数が減った分が少し戻ったようです。
一般的な検査項目であればこの本で十分ですが、もっと幅広い項目について勉強したい方は臨床検査法提要がおすすめです。(ほとんど辞書ですが・・・)
研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡
電解質、酸塩基平衡について言葉の意味や生理学など基本的なところから解説してくれる本です。
用語が少し独特なところはありますが、そのおかげで理解しやすくなっていると思います。
電解質や輸液に関する本は多々ありますが、内容の詳しさとわかりやすさのバランスがちょうど良く、個人的にはこれが一番オススメです。
まとめ
今回は内科研修を受けるレジデント向けの教科書を紹介しました。
最近はいい教科書がたくさんでてきて、どれから読んだらいいのかわからくなってしまいます。
今回紹介した教科書は、それぞれ内科研修に役立つと自信をもって言える教科書ばかりです。
是非参考にしてみてください。
- 診断学の勉強
- Dr.ウィリス ベッドサイド診断
- 卒後20年目総合内科医の診断術 ver.3
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- ホスピタリストのための内科診療フローチャート
- 感染症クリスタルエビデンス 診断編
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- 異常値の出るメカニズム
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